家族のサポートは必要か。私の答えは「必要」です。
白内障の手術自体は20分程度のもので、日帰りで行います。74歳・保険料負担金2割で高額医療費が使用できるため、費用は両目で18,000円でした。
手術をうけると、それまでモヤがかかったように霞んでいた視界が明るくはっきり見えるようになるそうです。目が良く見えるというのは嬉しいものですし、昨今ではかなりたくさんの方が手術していますよね。
手術自体は医師に任せるしかありません。ですが、その時に家族から見てどのようなサポートが必要だったのかということは、今回母が手術するまでまったく知らないことでした。
我が家は車移動が必須な地方の中規模都市です。あくまでまめひろ家の場合であり、地方特有の事情なども含まれるかもしれませんが、よかったら参考にしていただけたらと思います。
また、母も私も手術をしてよかったと感じておりますので、それを先にお伝えしておきたいと思います。
サポートが必要だったこと
- 手術箇所が眼球のため、手術前の検査日も含め送迎は必須。術後も1日後、3日後、一週間後、一か月後と検査通院のための送迎が必要。
- 高齢で手術される方が多いからか、必ず付き添いを求められ、診察や点眼薬の説明なども一緒に話を聞く必要あり。
- 手術前後、複数の点眼薬を時間通りに5分間隔で使用する必要があるため、本人が管理するのが難しい場合は助けが必要
- 外出・洗顔・入浴等は3日間禁止。洗髪・事務仕事は4日間禁止。炊事・軽い運動は6日間禁止。。。など禁止事項が多い。
- 運転は4日間禁止だが、視界が変わるため眼鏡を使用している人はメガネレンズを合わせてからのほうが良いため、眼鏡屋にも送迎が必要
- 術後1日は片目を眼帯でおおわれており、眼帯が取れても視力が安定するまでしばらくかかかるため、階段などの段差には特に注意が必要
今回病院に付き添っていて感じたことは、白内障の手術を受ける方がほとんどといってよいほど高齢の方だったということです。
私の母も74歳という高齢です。しかも中一日あけて両目を手術しました。そのせいか、洗顔さえできない日が続き、少々憂鬱そうでした。けれど視界が明るくなったことはとても喜んでいます。
とはいえ、両目ということもあり一週間毎日通院しなければならなかったので、やはり大変でした。現在、私は在宅で事務の仕事をしているので対応できましたが、もしも日々出社しなければならない仕事だったら、とてもきびしかったと思います。片目だけの手術でも、当日、次の日、3日後、1週間後、1か月後の通院は必要です。
また、手術後は次の日に受診するまでの間は眼帯で完全に片目が見えない状態で過ごします。片目がふさがれている状態だと本人が思っているよりも遠近感がとれず視界も狭くなるので、階段だけでなくちょっとした段差でもつまずきがちでした。手すりがある場合は必ず持つことと、いつもよりゆっくり移動することを本人に何度も伝え、術後は無理のない生活をすることが大切です。
もちろん、片目だけ手術する方もたくさんいらっしゃいましたし、2週間ほど期間を開けて両目を手術する方もいらっしゃるようでした。その方の状況により、医師が臨機応変に対応してくださっていた印象です。
手術前から付き添い・送迎が必要な理由
眼球を手術することになるので、手術日に付き添い・送迎が必要なのはわかるとしても、手術前検査の段階から必要なのはなぜでしょうか。
それは、その検査が瞳孔を開く薬を点眼して行うものだからです。検査が終わっても薬の影響は4時間ほど残るので、視界がいつもより定まらないのです。その状態で車の運転は出来ません。遠方でなければタクシーを使用するのも一つの手だと思います。また、高齢の方などは視界の悪さから段差を踏み外す可能性もあるでしょう。
そのような理由から送迎が必要なのですが、付き添いが必要な理由がもう一つあります。
手術当日は、術前4時間前から1時間ごとに2種類の点眼を5分あけて行わなければなりません。手術時間が10時からだとしたら、朝6時から点眼を開始するのです。また、術後は4時間おきになりますが、やはり3種類を5分間隔で点眼しなければなりません。
まず、その点眼薬を間違えないようにすることと、時間通りにすること。それだけでも高齢になると管理が大変になる方が多いようで、一緒に説明を聞くことを求められるのです。
正直、高齢者ではなくても間違えることもあるかも。。。と感じるので、一緒に説明を聞くことが出来てよかったです。
私の場合はスマホのアラームを時間通りにセットし、点眼薬を「術前・術後」「右目・左目」と袋を分けて管理しました。また、1つ点眼したらキッチンタイマーで5分はかり、間隔にも気を付けました。
母は自分で管理しようとしていましたが、右目を手術した2日後に左目を手術するときはさすがに見守りが必要でした。当日の朝は右目術後の点眼と左目術前の点眼を同時に行わなければならないためです。
術後2週間ほどたつと点眼薬の数も減り、朝晩2回になるので、そこまでは出来るだけ見守れると安心ですね。
ちなみに、そこまでしても点眼するのを数回忘れました。アラームが鳴っているときに何かしていると、「今していることが終わったら」と思っているうちに忘れるのです。けれど、忘れて1時間も経たずに目が痛くなってくるそうで、痛みで思い出して点眼をしていました。
術後の禁止事項と日数
手術当日に出来ることは「歩行・食事・歯磨き」です。テレビや読書も2日間は禁止されています。そのほかにも下記のような指示がありました。
- 3日目からしてよいこと・・・テレビ・読書
- 4日目からしてよいこと・・・外出(保護メガネ必須)・洗顔・入浴・カミソリ
- 5日目からしてよいこと・・・運転(眼鏡を合わせること)・洗髪・事務仕事
- 6日目からしてよいこと・・・自転車・軽い運動・家事(炊事掃除)・旅行
- 10日目以降してよいこと・・・畑仕事・激しい運動
また、当たり前ですが目をこするのは厳禁です。炎症を起こしたら治療は長引くでしょう。
正直言うと、思っていたよりも制限があると感じました。けれど手術箇所が眼球であるため、万が一のことを考えるとしっかり守ってもらわなければなりません。
このように考えると、ある程度の理解力があって行動をしっかり自制できる方でないと手術は難しいと思いますし、医師もその辺を見極めて手術を勧めているのではないかと感じました。
術前の説明でも、「手術中にもしもくしゃみをしたくなったら、手を上げるなどの動作をすることは厳禁です。言葉で伝え、医師の許可を得てからくしゃみしてください」と言われるほど繊細な手術です。
せっかく視界が明るくなったのですから、炎症などおこすことなく快適な視野を保つためにも、ここは頑張りどころですね。
白内障の手術をおえて
白内障を発症すると日常の光がまぶしく感じるので、以前は母の部屋に入るとカーテンを閉めていることが多く暗い印象でした。けれど、今は以前よりは部屋も明るくなりました。とはいえ、サングラスをかけたり、強い日差しは出来るだけ浴びないようにするなど紫外線には気を付けています。
点眼薬の投与やその間の家事などまわりのサポートは必要ですが、手術してよかったと思っています。何より本人が生活をしやすくなったという変化が喜ばしいことです。
母が手術をうけるにあたり、まわりの手術経験者からもお話を聞く機会があったのですが、どうやら禁止事項などは病院によって多少差があるようです。手術の次の日から肩下ならばシャワーをしてOKだったという医院もあり、医師の考え方によるのかもしれません。とにかく手術をうける前によく話を聞くことが大切ですね。
今回の経験で私がアドバイスできることがあるとしたら、出来るならば夏場の汗をかく時期は避けるということです。洗顔や入浴がしばらく禁止であるということは、思っている以上にストレスになりますから。もちろん、状況によって時期を待っていられない方もいるでしょうから、そこは優先順位を医師と相談できるといいですね。
周りのサポートが難しい状況であったり、一人で生活している方など、なかなか難しい問題もありますが、白内障はほっておいても良くなることはありません。少しでも早く安心した状況で皆様が手術できることを祈っております。
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