妻更年期✕夫更年期　お互いのつらさと違いを知る

「些細なことで夫婦間の衝突が増えた気がする」

「以前より夫がイラついている気がする」

40代・50代になってからこんなことが増えていませんか。それは更年期が影響している可能性があります。妻だけではなく男性の更年期についても知っておくことで、避けられる衝突があるかもしれません。

夫を見ていて気になった。男性の更年期とはどんな症状？

私が夫を見ていて最初に気になったのは、夜眠っていたはずなのに朝一番に「疲れた」と言うことです。そして、食べる量はそれほど変わっていないのに少々ふくよかになってきました。イライラすることもあり、感情をコントロールすることが難しそうなときもあります。こちらもイライラしていると、良いことはありません。

男性の更年期は女性の更年期とはメカニズムが異なりますが、症状は似ています。男性の更年期に多い症状は下記の通りです。

この男性更年期の原因は男性ホルモン（テストステロン）の減少です。男性ホルモン（テストステロン）分泌のピークは20代で、40代以降になると男性更年期と言われる状態がいつ始まってもおかしくないと言われています。

男性ホルモン（テストステロン）とは筋肉や骨格を作ったり意欲を高めたりするもので、人間関係や社会生活で活動的に動くために大切なものと考えられています。また、女性の更年期は女性ホルモンが減少し始めて落ち着くまでの10年間ほどと言われていますが、男性ホルモンの減少は期限なく続くということが異なります。

そのため、周りから見ると今までハキハキと精力的に活動していた人がやる気を失っているように見えたり、人が変わったように感じる方もいるでしょう。本人も仕事や生活の中で楽しみが見つけられないと感じる方が多いようです。いつまでたってもそのような状態が続くというのは、つらいことですね。

理由がわからないと余計に不安になったり苛立ちの原因にもなるので、まずは男性更年期と言うものがあるということを知っていただきたいです。

本当に男性更年期なのか。病院で男性ホルモン値を調べてもらう。

調子がおかしい・つらいと感じたら、まずは病院で男性ホルモン（テストステロン）の値を調べてもらい、本当に男性更年期かどうかを診断してもらうことをおすすめします。男性更年期のような症状だったとしても別の病気が隠れていることもあるので、自己判断は危険だからです。男性更年期と診断されたら、症状が強い場合はテストステロン補充療法を行うことも出来ますが、まずは自分で出来ることを試してみませんか。

男性ホルモン（テストステロン）の低下の原因として、生活習慣の乱れやストレスがあげられます。40代～50代はどうしてもストレスを受けやすい環境になりがちです。これは女性にも言えることですが、仕事だけではなく子育てや介護など、どうしても対応しなければならないことがたくさんあります。そういったことはすぐに状況を変えることは難しいかもしれません。それでも出来ることから始めて、少しづつでも体も気持ちも楽になる日々を目指しましょう！

適度な運動は男性ホルモン（テストステロン）の分泌を促すことがわかっているそうです。女性の更年期でも適度な運動は改善に良いとされているので、一緒にウォーキングをしたりジムに通ったり出来るといいですね。時間が取れないという方は朝晩のストレッチだけでも始めてみると、少しずつでも変化はあると思います。

その他にもバランスの取れた食事をとる・睡眠を十分にとるなど生活習慣を整えることは重要です。アルコールは男性ホルモン（テストステロン）の低下につながるので、飲みすぎないように適度な量をとるよう気を付けましょう。

また、たばこも睡眠の質の低下につながりやすいのでやめたほうが良いとされています。たばこを吸わなくなると食事もおいしく感じますし、体も動かしやすくなりますよね。キッパリ禁煙するのは難しいと感じる方もいるでしょうが、少しづつ量を減らすところから始めてみませんか。

このように見てくると、男性でも女性でもホルモンというものの大切さを感じます。どちらの更年期にも共通して言えることは、ストレスや生活習慣の見直しで改善がのぞめるということです。それでもつらいと感じるときには医療の助けを借りながら、自分で変えられることは変えていくことが大切なのだと感じました。

大切なのはお互いに相手のつらさを知っておくこと

50歳になり自分のからだの変化についていけない・更年期がつらいと感じていても、夫に自分の更年期のつらさを話したところで。。。とあきらめていた時もありました。ですが、お互いの更年期症状を知ることで、夫婦間で起こるちょっとしたイライラを「お互い更年期だしそういうこともあるよね」と思えたら、気持ちが少し楽になれるかもしれないと思うのです。

自分のつらさを相手に知っていてもらうことも、夫自身に自分が更年期かもしれないと気がついてもらうことも大切だと思います。ただ、自分も「あなた更年期じゃない？」と直球で言われるとなんだか素直に受け取れない感じがあるので、伝え方には気をつけたいところですね。

私はまず自分の更年期の症状を伝えてから「男性にも更年期ってあるみたいなんだよね。体調はどう？」と気遣うところから話を始めました。その時に「そんなことはない。大丈夫。」と言われたとしても、夫の頭の中の片隅にでも男性更年期のことが残ってくれればそれでオッケーです。この先つらいと感じた時に「もしかしたら自分も更年期かも」と気がついてくれるかもしれませんから。

そして、女性でも男性でも更年期の共通点は「自分の意志ではどうにもならないつらさがある」ことだと私は思います。だからつらい時には積極的に適切な治療を受けることをためらわずにいたいですね。

それでもイライラしてしまうことはあるでしょう。相手にあたってしまうこともあるかもしれません。けれどそんな時は「どうしてもイライラしてしまうから一人になりたい」でもいいし、「つらい」と一言伝えるだけでもただイライラをぶつけられるより何倍もいいと思います。

妻も夫も、少しでも心地よく過ごせる日々のためにお互いの状況を伝えあって、気づかいを忘れずにいられたらいいですね。